だって仕方がないじゃない

どうしようもなく好きなんだもの

ユニゾンとの出会いを振り返る

2018年、確か初夏。

旦那が「9月に友達と夏フェスに行く。泊まりで。」と言い出した。

 

聞けば仲良しの男女4人で山梨まで行くという。泊まりで。

 

相手の好きなものは否定しない、やりたいことは邪魔しないが信条ではあるのだけれど、さすがにそれをすんなり容認してしまうと今後の生活がアンコントロールになって破滅に向かいそう。

 

どうしたものかと少し悩んで「私も行きたいな・・・。」と言ってみた。真夏の日差しを想像して多分目は死んでた。

 

そんな消極的かつネガティブなきっかけで私はユニゾンを知ることになる。

 

 

「夏フェス 服装」「夏フェス 持ち物」「日焼け止め 最強」などの言葉がスマホの検索履歴を埋めるようになってきたある日、旦那がGEOでCDをたくさん借りてきた。

「今度のフェスは知らないアーティストもいっぱい出るからね。予習した方が楽しいよ!」となんとも楽し気である。

 

確かにね、なんて相槌は打ったもののそこまで興味は持てなかったのでカーオーディオから流れる音楽たちは適当に聞き流していた。

 

それから暫くたったある日の夕方、買い物帰りの車の助手席。

お腹空いたな~なんて思いながらぼんやり窓の外を眺めていた私の耳に、妙にキラキラした音楽が飛び込んできた。

 

シュガーソングとビターステップ

 

ニゾンの代表曲で言わずと知れた超名曲。

異様なほどにポップでキャッチーなメロディーと伸びやかなハイトーンボイスに耳を奪われた。

 

呼吸も忘れるほど集中して聴いたあと、「これなんて曲?とりあえずもう1回流すね。歌ってるのって男の人?女の人?」矢継ぎ早に旦那に疑問を投げかけると長くて覚えにくいタイトルとバンド名を教えてくれた。

 

現代人の嗜みとしてとりあえずググってみる。

(UNISON SQUARE GARDENね・・・バンド名長いな・・・。え、スリーピースなの?へぇ、早稲田卒なんだ。ボーカルの人結構かっこいいな。あれちょっと待って33歳?年上?2008年メジャーデビューって10年前じゃん!)

 

曲と声の印象から20代半ばくらいのキラキラした若手バンドだと思い込んでいた私軽くパニック。

 

それにしてもなんてややこしくて楽しいメロディーなんだろう。

しかも「超天変地異みたいな狂騒にも慣れて」なんて不可解なフレーズから始まる歌詞は「死ねない理由をそこに映し出せ」「南南西を目指してパーティーを続けよう」「世界中を、驚かせ続けよう」と怒涛のキラーワード祭り。それをまっすぐ耳に届けてくれるボーカルの声と歌唱の心地よさ。畳みかけるような演奏。

 

凄いものを見つけてしまったかもしれない、という思いにドキドキしながら、その日は家に着くまでひたすらこの得体のしれない曲をリピートし続けた。

 

それからフェスまでの約1か月間、隙あらばこの曲を聴いていた。聴けば聴くほどかっこよくてワクワクしてどんどん好きになっていく。

 

旦那が借りてきてくれたDr.Izzyは今聴くとユニゾンのエッセンスが詰まった捨て曲なし、バランスもクオリティも最高の名盤なんだけど、その時はシュガビタとmix juiceのいうとおり以外はどこか地味な印象でそこまで聞きこむことはしていなかった。

 

そして9月1日。SWEET LOVE SHOWER2018当日。

 

お揃いの極彩色のTシャツを着て、9月にしては涼しい山梨に到着すると、ユニゾンのパフォーマンスは既に始まっていた。

渋滞を恨みながら会場に向かって走る。

ニゾンファンではない旦那や友達はまず会場入口近くのトイレに向かおうとする。おぉ凄い混んでるね・・・。

 

実はこの数日前にスマホが壊れて連絡手段を失った私は必ず誰かと一緒に行動するようにと言い含められていたんだけれど、待っていたらユニゾンのステージはきっと終わってしまう。もしかしたら今聞こえてくるのが最後の曲かもしれないのに。

 

「先に行くね!」と宣言しステージに向かって走る。

 

待ち焦がれた音が鳴っている。

後から確認したセトリによると4曲目、パンデミックサドンデスが始まったところだった。

 

この曲知ってるー!とウキウキしながらステージに近づいていく。私とユニゾンのファーストコンタクトだ。なるべく近くで見たい。音が近づいてくる。

 

かっこいい

 

かっこいい

 

歌うまっ!

 

演奏やば!!

 

・・・ベースの人、挙動不審だね?

荒ぶる田淵と初遭遇。

 

5曲目は春が来て僕ら。この時初めて聴く曲。

初めてが生歌だなんて贅沢この上ない。

 

6曲目、桜のあと

楽しいメロディー、明るい歌詞。周りのボルテージも上がってく。

 

MCも挟まず矢継ぎ早に最後の曲。

待ってましたシュガーソングとビターステップ。イントロの独特のギターが高らかに鳴り響く。間に合った!!!

初めて聴く斎藤さんの声はCDより伸びやかで男らしい印象で、青空の下でこの上なくすがすがしく響いた。爽やかなのに色気もあってなんだかドキドキしてしまう。

 

気づいたらその場で飛び跳ねて音楽に浸っていた。

 

至福の4分半が終わり、彼らはあっという間にステージから去っていく。

 

呆然とその場に立ち尽くす。

きっと私はこのバンドのことが大好きになる。

 

 

ふと自分の状況を思い出し、気持ちの整理なんてできないままとりあえず皆を探す。

・・・うん、見つからないね。人多いね。

 

結局その日の夕方まで友達とは会えず、1人フェスというなかなか高度な遊びをしてしまう。

音楽への感度がガンガン上がった状態だったからとても楽しかったけど。

もっとちゃんと予習してこればよかったな。

 

日本一歌がうまいんじゃないかと個人的に思っているSuperflyは相変わらず素晴らしかったです。私の隣にいたお姉さんが1曲目から号泣していたのが印象的でした。気持ちは分かるよ。私もBeautiful大好き。結婚式のエンドロールで使った思い出の曲なんだ。

 

どうにか18時過ぎには合流し、トリのサカナクションは皆で見て帰った。花火がきれいでございました。

 

それからの日々は少しだけ上の空で、でも普通に淡々と過ごした。スマホは部品取り寄せに時間がかかってなかなか直らなくて、不便だけどある意味快適ねなんて思ったりもした。

 

ようやくスマホが直って日常を取り戻したのはそれから2週間後。通勤電車でふと思い立って『UNISON SQUARE GARDEN』と検索しYouTubeで天国と地獄のライブMVを見た。

 

ちょっと待ってちょっとまって

めちゃくちゃかっこいい

めちゃくちゃかっこいい!!!

めっちゃくちゃかっこいい!!!!!

 

 

多分これが最後のピースがはまった瞬間。

 

それからずーーーーーーーっとYouTubeでユニゾンの映像を見て、一通り堪能するとDr.IzzyのライブDVDを買ってそれも毎日見て、他のDVDやCDも少しずつ揃えている。

少し早起きしてDVDを見ながらストレッチをして、好きな曲を聴きながら会社に行って、好きな曲を聴きながら家に帰って、DVDを見ながら夕飯をつくる。

 

どうにも言葉の響きが受け入れられず今まで入ったことがなかったファンクラブなんてものにも入会してしまったし、ラジオも毎週録音して聴いている。(ちょうど10月から冠番組が始まるというタイミングのよさよ。)かっこいいステージとゆるいラジオのギャップがまたズルい。

 

とにかく誰かにこの気持ちを伝えたくて、そしてユニゾンを知ってほしくて9月以降に会った人には漏れなくユニゾンについて語ってしまった。

友達の一人がとても気に入ってくれて家でライブDVD上映会もした。ユニゾンが載っているフリーの冊子をもらいに2年振りにタワレコに行ったし雑誌のバックナンバーを取り寄せてインタビュー記事を何度も読み返したりしている。

 

Amazonが何かを察したようでおすすめ商品がユニゾンで埋まる。大事に少しずつ揃えたいからちょっと待って。一気に消費しちゃったらもったいないじゃない。

 

そして好きな曲は日々増えていく。本当に知れば知るほどかっこよくて楽しいロックバンドなんだ。

目下一番好きな曲はシャンデリア・ワルツ。歌詞がもうどこを切り取っても至言なんだけど好きすぎて語れないからとにかく聴いて。

 

運よくMODE MOOD MODEのアンコール公演に当選し来年2月にはライブに行ける。

 

楽しい。ユニゾンに出会ってから毎日が本当に楽しい。

 

来年には結成15周年を迎える彼ら。

今まで見つけられなかったのはそれはもう心底悔しいけれどそれはもう仕方ない。

 

目立ちたくない、でしゃばりたくないなんてひねくれた価値観を持つ彼らを遅ればせながらも見つけられたことに感謝して、これかも思いっきりUNISON SQUARE GARDENの音楽を楽しんでいこう。